チューリヒ大学に留学中の周シュナーベルです。このブログではスイスに関する無駄(?)知識や私の大学生活を紹介します。


by schuhschnabell

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家族

4月はこれで計2回の更新だぜ...!くっ...無念。

こんなに少ない更新なのに見に来てくださる方がいるのはなんと頼もしいことか。感謝感激。

みなさんのコメントも温かく、嬉しいです。



うさぎは耳もっちゃいけませんよね。自分も耳つかまれたら痛いし。

最近私は自分で飼っているうさぎから、あのVの字の鼻でたまに鼻水っぽいのを擦りつけられる今日この頃です。



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先日、母からメールが来た。



「ちょっとだけど食料品送るね。」





おぉ、嬉しい。



早速ありがとうと返信したが、返信後受信メール欄を見ると、送ったはずのメールがあて先人不明とのことで戻ってきてしまった。



その後で何度かまた母にメールを送ろうと試みたが、まったく送れずじまいに終わった。



なんでだろう。



ふむ、こうなったら電話しかないか。



少し緊張しながら、国際電話番号をくっつけて、実家の電話番号をダイヤルする。



なぜ緊張してしまったかというと、ほぼ一年全く家に電話をかけなかったからだ。



去年の春休みにおよそ三週間帰国し、スイスにまた戻ってきてから一度だけ家に電話をしたきり、母の声を聞くことは一度もなかった。



その一度きりの電話だって、無事スイスに着いたよっていうのを知らせるだけだった。



だから、母と話すのは本当に一年ぶりぐらいだった。



電話をしようと思えばいつでも出来るんだけれど、メールの方が時差の時間を気にしなくてよくて便利だし、電話で直に話すのが面倒くさかったし、そして何より、照れくさかった。







トゥルルルル・・・



トゥルルルル・・・



トゥルルルル・・・





「はい、もしもし。」



「あ、お母さん?シュナーベルだけど...」



「あら、シュナちゃん~。ひさしぶりだねぇ~...。」





電話の声が母だとわかった瞬間、ほっとした。



もし電話に出たのが父だったら、何を言えばいいのかよくわからなかったと思う。



思春期の頃に父との関係がギクシャクして以来、私は父との会話をほとんど必要最低限で済ましてしまっていた。



だから、父が何か尋ねてきても、父と話すのが面倒くさくて、私は低いトーンで、ただぶっきらぼうに答えるだけで精一杯だった。



もし父が電話に出ていたら、「あ、お父さん、元気?」とまずお決まりの台詞を言い、「今、お母さん、いる?」とすぐ電話を交代させたかもしれない。



もちろん、声を低くして。



なんなんだろうね、この娘の心境は。



自分でもよくわかんないよ。







電話に出たのが母だとわかると、私は早速、メールを送っても送り返されてしまうことを告げた。



母は着信拒否設定の際に、誤って私のメルアドも着信拒否リストに入れたかもしれないと言い、後日ドコモショップで聞いてくると言った。



自分で設定を直せないらしい。



その後、話は母が最近購入したと言うニンテンドーDSのことになった。



母が購入したソフトは、今話題の「脳を鍛える」計算ゲームだった。





「ボケ防止にいいかと思って。あはは。」





母の朗らかな笑い声が懐かしかった。





お母さん、そういうのやっても、ボケ防止にはあんまり効かないってこの前聞いたよ。



ボケはなる時はなるし、ならない時はならないんだってさ。



どんなに頭の良い数学者だって、アルツハイマーになることだってあるしさ。



でもまぁ、お母さんが楽しんでるならいいや。





私は「頑張ってるねぇ」とだけ言って、母の楽しみを損なうようなことを言うのは控えた。



母は、父が最近プレステ2を購入し、その際ドラクエを買ってきたと言った。





「お父さん、ドラクエ8をこの前買ってきたんだけどさ、ついでに攻略本上下巻も買ってきてんだよ。」





高らかな声で母は笑った。





「え~!攻略本も買ってきたんだ!やっぱりお父さんだな。」





私もおかしくて、一緒に笑った。



懐かしくておかしくて、そして安心感が心を満たした。



私はすぐに、父がドラクエ3を買ってきたときのことを思い出した。



ドラクエ3は、父が初めて買ってきたファミコンソフトで、少し遠くの電化製品店で予約までして購入したソフトだった。



予約をしたといっても、ドラクエ3は当時は爆発的人気で、予約数も半端ではなかったため、発売開始日から数日待たないと買えなかった。



父はドラクエ3をようやく入手した後、こっそりとゲーム攻略本上下巻を買ってきていたのだった。





「ドラクエ7も買ってやってるんだけどさ、お父さん、わかんないところがあるとお母さんに聞いてくんのよ。パート先のお姉さんがね、ゲームに詳しいって、前にお父さんに言ったら、その人に聞いて来いっていうのうよ。お母さん、あんまりわかんないのに、そのお姉さんにドラクエ7のあそこはどうすればいいのかって聞かなきゃなんないのよ。」





母は爆笑しながら話した。





「なんか、お父さん、どっかの場所で十字を切らなきゃいけないって、インターネットで自分で調べて見つけたんだって。十字を切った後に階段が出てくるらしいんだけど、でもいくらやっても出てこなくてさ。」



「あ、それ、どっかの塔みたいなところじゃない?なんか細い通路かなんかを通るヤツ?」





私はドラクエシリーズは1を除いて全て攻略したことがあるので、母が言っている場面がなんとなく思い出された。





「ん?あ、そう、そう。それを私に聞いて来いっていうんだよ。そしたらさぁ、そのお姉さん、親切に、写メールでその十字を切る場面を私に送って来てくれたんだよ!そんでお父さんに見せてやったらさ、あれ、これ2階じゃねぇじゃねぇかってびっくりしてんのよ。今までお父さん、ずっと二階で十字切ってて、階段出てこねぇなぁ、出てこねぇなぁっていってんだもん。」



「そういえば、お父さんって今家にいるの?」



「うん、居間で一人こもってドラクエやってるよ。」





お父さん、ウケル...。





実家はいつもどおり平穏で、母は「脳を鍛える」トレーニングをして、テレビを見ながらソファーに横になればすぐに居眠りしちゃうし、父はドラクエをやって、酒が大好きで、たまに下痢をする。



「いつもどおり」ってことが、すごくありがたかった。



いろいろ話してくれた母は、いつもどおり元気で、声が優しかった。



お母さんって、優しいよね。本当に優しくて、今更ながらビックリしちゃったよ。



でも面と向かって、「お母さんって優しいね」なんて恥ずかしくて言えないけどね。



実家で暮らしていた時は、クソババァなんて心の中で呼んでみたりしたこともあったけど、離れて暮らしてみて、よくわかった。



うちの家族って本当はすごく温かくて、素敵なんだなって。









今回は絵なしでござる。

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by schuhschnabell | 2007-04-30 22:40 | 思い出